設計事務所に現場監理を

現場監理の重要性

よく友人などに、 「設計事務所って何をするの?」
「設計事務所に頼むと値段が高いんじゃないの?」
などとよく言われます。

おそらく一般の建築に携わっていない人には、設計事務所の仕事はまったくわからないんでしょうね。
自分だって、お医者さんの仕事とか、パイロットの仕事とかは漠然としかわからないですしね。
ですので設計事務所の業務内容や理想的な設計事務所との付き合い方をお教えしたいと思います。

まず、設計事務所は大きく分けて3つに分かれます。
a.建築設計事務所
b.建築構造事務所
c.建築設備事務所

aの建築設計事務所とは、だいたい基本プラン、実施設計、意匠設計や申請業務を専門とする設計事務所を指します。(例外もあります)
bの建築構造事務所とは、構造計算や構造図の作成を専門とする設計事務所を指します。
cの建築設備事務所とは、建築の設備の設計を専門に行う設計事務所を指します。(一戸建ての住宅程度の規模でしたらあまり携わりません)

そして、一戸建ての住宅を建てるに当たっての業務は、
・設計図面作成業務
・敷地についての役所調査
・確認申請業務や住宅性能保証申請等の申請業務
・構造計算業務
・現場監理業務
があります。

ちなみに、施工会社の中には社内に設計部がない、設計部があっても時間がない、設計する実力がない 等があり、その場合は外部の設計事務所に外注して設計等を行っています。

用語説明
住宅性能保証制度
住宅性能保証制度とは、工事が完成、引き渡し後、万が一住宅が傾いたり、雨漏りしたりなど不具合が起きた場合に
登録業者が最長10年間保証する制度です。工事中の現場審査に合格した住宅に保証書が発行され、万が一の修補費用を保険でサポートします。

完了検査
建築確認申請の確認済証の交付を受けた建物が、設計通りに完成したかどうか、役所(確認検査機関)が検査を行う制度です。
完了検査に合格すると、検査済証が交付されます。検査済証がないと銀行融資の審査で落ちる可能性が高くなります。

中間検査
建築確認申請の確認済証の交付を受けた建物が、工事の途中の段階で、設計通りに工事を行っているか、役所(確認検査機関)が検査を行う制度です。
中間検査は、建物を建築する場所の特定行政庁によってどの段階で検査を行うか決まっていますが、1.基礎の配筋時 2.屋根の小屋組み時の2回行う事が多いです。
中間検査は、工事が完了すると見えなくなる部分(しかも構造的にかなり重要な部分)の検査を行いなすので、かなり重要な検査です。

建築確認申請
建物を建築する場合に、建築基準法などの法規に違反していないか、役所(確認検査機関)に申請を提出して審査をしてもらう事です。
審査に合格すると、確認済証が交付されます。

最初から設計事務所に設計を依頼した場合は、大抵、設計事務所が現場監理をしてくれます。

現場監理とは、設計通りに現場が出来ているかどうか定期的に現場へ行って確認する業務の事で、建築基準法の検査等の立会いもしてくれます。
施工会社の社内の設計部も同じ業務をしてくれますが、同じ会社の人間の為に、施主側よりも施工側よりの現場監理になりやすいので、外部の設計事務所の現場監理をお勧めします。
通常の現場監理とは、施主に代わって施工会社と話をして現場確認等の業務を行いますので、施工会社とは関係のない第三者の立場である設計事務所が理想なのです。

施工会社と別に設計事務所に設計及び現場監理を依頼すると費用は通常よりも高くなりますが、支払う値段以上の価値がありますので、外部の設計事務所に現場監理を依頼しても良いか施工会社に一度確認してみて下さい。

*ワンポイントアドバイス
多少高くなっても設計事務所に現場監理を依頼するのは、長い目で見ればお得です。


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