土地の取得・購入のアドバイス

注文住宅の場合の土地の取得

まず建物を建てる上で必ず必要なのが土地です。すでに土地を買った方、前から持っている土地、今住んでいる場所での建て替え等で土地をお持ちの方以外の方は 土地を取得する事から始めなければなりません。
人により土地取得の優先順位はあると思いますが、これだけは押さえておきたい事項をあげたいと思います。

実際、一級建築士の自分が土地を購入する場合に重要視する事柄は、
a.その土地にはどのような法規制があるか?
b.前面道路は何メーターあるか?
c.隣接地との境界線ははっきりしているか?
d.地盤は丈夫かどうか?
の4点です。

たしかに駅が近いとか、公園やスーパーが近所にあり住みやすそうとかも考えますが、それは先に上げた4点を満足する敷地の中で考えたほうがいいと思います。
たとえ駅が近く、買い物に便利な立地でも、自分の満足する建物が建築不可能な法規制のある土地では後で後悔する可能性が高いからです。

個別に説明しますと
a.土地には用途地域や防火指定等の指定があり、建築することが出来る用途の制限や構造の制限、高さ制限等があります。
あらかじめ調べておかないと実際にプランを行う段階で希望の建物が建築不可能な可能性もあります。
ちなみに、第一種低層住居専用地域という用途地域は、高級住宅街によく指定されていますが、 道路境界線や隣地境界線より1.5m空けなければならない場合や3階建てが難しい場合もあります。

b.よく不動産会社の新聞広告などで安くて広い土地は前面道路が狭い物件が多いです。
前面道路が狭ければ、せっかく建てたマイホームに駐車場を設置出来ません。また、前面道路が4m以下ですと、道路中心から2m後退しなければなりません。
この場合は、自分の土地なのに道路になってしまう為、建物が建ちにくくなります。
また、購入検討している土地の前面道路が広くても、その土地に行くまでの道が一部でも狭く車の通行が出来なければ、駐車場は設置できないので注意して下さい。

c.隣接する土地との境界線がはっきりしない場合、将来的に隣接地の建物を建て替える場合や自分の家を建て替える場合に境界線の位置で揉める原因になります。
買った当初はお互いが納得していても、隣地の持ち主が変わったりするかもしれません。出来るだけ境界をはっきりしている物件を買いましょう。
物件を紹介している不動産屋さんに言えば、境界をはっきりさせてくれる場合もあります。

d.地震大国日本に住む以上、地震は避けて通れません。万が一に備えて良い地盤の上に建物を建てたいものです。
地盤が悪い土地の上に、丈夫な構造の建物を建てても意味がありません。
土地の地盤は、「隣の敷地が良かったからきっと大丈夫だろう」というのは当てになりません。参考にはなりますが、急に地盤が変わってる可能性もあるのです。
ですので実際にその土地の地盤を調べてみなければ地盤が強いのか弱いのかはわかりません。
実際に、建物を建てる段階で地盤調査を行った結果、思ったよりも地盤が悪く、地盤改良に予定外の費用がかかる場合もあります。
もし可能でしたら、購入前に地盤調査を行うように不動産会社に依頼して下さい。スウェーデン式サウンディング試験なら、3万円〜5万円で調査可能です。

*ワンポイントアドバイス
土地は高くなかなか買い直す事は難しい為、土地の取得には一番神経を使って下さい。


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